コーキングの種類と選び方【初心者向け】

コーキングとは、構造物や機器の隙間を埋めて気密性や防水性を向上させる材料のことを言う。この記事では、コーキングのさまざまな用途、材料、種類、および選択のポイントについて解説していく。

種類

コーキング材は、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系など、さまざまな種類があり、それぞれ異なる用途で使用されている。

市販されているコーキング材の成分のほどんどは、シリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系の3種類となる。それ以外の成分は、専門性が高いので市販されていないことが多い。

また、1成分型と多成分型に分類される。

ガラスはめ込みには「タイプG」が、その他の用途には「タイプF」が用いられる。目地幅の変形度や、目地幅の変形度によってクラスわけされている。

変形度が大きいものに関しては、引っ張り応力に対する耐性の差(「モジュラス(modulus)」)により、サブクラスに分けられている。

材料

シーリング材は、原料ポリマー、硬化剤、および添加剤で構成されている。

原料ポリマーは、シーリング材の基本的な性質を決定する。同じ原料ポリマーでも、分子量や分岐の有無によって、性質が異なる場合がある。

硬化剤は、原料ポリマーを架橋させることで、シーリング材を硬化させる。

2成分系シーリング材の場合は、原料ポリマーと反応する物質(架橋剤)と触媒の両方、または、どちらか一方が使用される。

1成分系シーリング材の場合は、錫などの有機金属化合物、アミン化合物、および金属酸化物などが使用される。

添加剤は、シーリング材の粘度や硬化物の物性を調整するために使用される。

シーリング材の添加剤には、可塑剤、充填剤、着色剤、防かび剤、老化防止剤、だれ防止剤、接着付与剤、脱水剤などがある。

可塑剤は、シーリング材の粘度を下げ、硬化後の柔軟性を高めるために使用される。フタル酸エステルが一般的に使用される。

充填剤は、シーリング材の粘度を上げ、耐久性を高めるために使用される。炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー、マイカなどが使用される。

着色剤は、シーリング材に色をつけるために使用される。二酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどが使用される。なお、シリコーンポリマーに微粉シリカを添加することで、透明性のあるシーリング材を作ることができる。

「シーリング」と「コーキング」の使い分け

JIS K6800:1985「接着剤・接着用語」では、シーリング材を「構造体の目地や間隙を充填して防水性や気密性などの機能を発揮させる材料」、油性コーキング材を「展色材と鉱物質充填剤を混合して製造したペースト状のシーリング材」と定義している。

シーリング材は、相対変位の大きい目地にも使用できる一方、油性コーキング材は相対変位の小さい目地に使用される。

シーリング材は、あらかじめ形が決まっているものをパッキンやガスケットと呼び、チューブ容器に入った専用の押出し機で施工する樹脂性のものをコーキング材またはシーリング材と呼ぶことが多い。コーキングとシーリングは、建築現場では同義語として使われる場合が多いが、設計図書や施工計画書では、一般的にシーリングと規定されている。

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