シリコン系コーキング材と変性シリコン系コーキング材の比較

コーキング材にはシリコーン系(オルガノポリシロキサン)、変成シリコーン系(シリル基を末端に持つポリエーテル)、ウレタン系などがあり、それぞれ異なる用途で使用されている。

これらのコーキング材は異なる特性を持っていて、それぞれの利点や用途がある。以下では、シリコン系コーキング材と変性シリコン系コーキング材の違いとそれぞれの特性について詳しく説明していく。

シリコン系コーキング材の特徴

シリコン系コーキング材は、一般的に建築や工業分野で使用されるシーリング材だが、このタイプのコーキング材は主にシリコーンポリマーを基にしている。その特性から多くの用途に適する。

シリコン系コーキング材の特徴は以下の通りだ。

  • 耐久性が高く、耐候性に優れている。
  • 耐熱性があり、高温にも耐えられる。
  • 撥水性があるため、水まわりの補修に適している。
  • 塗装ができないものもあるが、変性シリコン系のものは塗装が可能である。
  • 外壁塗装には、上から塗装が可能な変成シリコン系コーキングを使用することが一般的である。
  • 高い伸縮性
    シリコン系コーキング材は、温度変化や建物の振動に対して適切に伸び縮みし、隙間や継ぎ目をしっかりと塞ぐ。これにより、建築物の気密性や防水性を維持できる。
  • 耐水性
    水に対して非常に耐性があり、防水シーリングに適する。浴室、キッチン、プール、水槽などの湿度の高い環境で使用されることがある。
  • 耐熱性
    一部のシリコン系コーキング材は高温にも耐えられるため、暖炉や煙突のシーリングなど、高温環境での使用に向いている。
  • 塗装可能
    一部のシリコン系コーキング材は塗装可能で、建物の外観に合わせて塗装することができる。
  • 低VOC
    VOC(揮発性有機化合物)の放散が少ないシリコン系コーキング材もあり、室内での使用に適している。

シリコン系コーキング材は、建築のシーリングや接合部の補修、防水、断熱などの多くの用途で広く使用され、その耐候性と耐久性から、建築や工業において信頼性の高い選択肢となっている。

変成シリコーン系

変成シリコーン系コーキング材は、シリコーン樹脂を主成分とした湿気硬化型の接着剤で、硬化は空気中の水分と触媒により進行する。

変成シリコーン系コーキング材は、耐久性が高く耐久年数も長いため、屋根や外壁用として多く使用されている。また、硬化後はシリコーン系のシーリング材と違い、塗装が可能だ。

変成シリコーン系コーキング材とシリコン系コーキング材の違い

コーキング材には、化学反応を起こして固まるタイプや、乾燥して固まるタイプなど、硬化するまでの過程によって種類が分かれる。その中でも、変成シリコーン系と、シリコン系の違いは何だろうか?

変成シリコーン系コーキング材とは、ポリエーテル樹脂を原料として末端を変性した樹脂でできたコーキング材である。耐候性・耐水性・耐熱性に優れ、キッチンや浴槽周りの補修に使用される。硬化後はシリコン系シーリング材と違い、塗装が可能だ。

一方、シリコン系コーキング材は、シリコン樹脂が原料となっているコーキング材である。シリコン系コーキング材の最大のメリットは、安価で入手がしやすい点だ。しかし、上から塗装をすることができない、というデメリットがある。

変成シリコーン系とシリコン系の比較

変成シリコーン系コーキング材(MSコーキング)とシリコン系コーキング材(シリコーンコーキング)は、それぞれ異なる特性と用途を持っている。以下に、変成シリコーン系コーキング材とシリコン系コーキング材の主な違いを示す。

  1. 主成分

変成シリコーン系コーキング材は、主成分はメチルシリコーン(MS)ポリマーだ。このタイプのコーキング材はシリコーンとポリウレタンのハイブリッドで、一般的に「MSコーキング」とも呼ばれる。

シリコン系コーキング材は、主成分はシリコーンポリマー。シリコン系コーキングはシリコンポリマーをベースにしたコーキング材である。

  1. 伸縮性

変成シリコーン系コーキング材は非常に高い伸縮性を持っており、振動や温度変化に対する耐性がある。

シリコン系コーキングも伸縮性に優れているが、一般的にMSコーキングよりも硬質であることがある。

  1. 耐熱性

変成シリコーン系コーキング材は高温に耐えられるため、高温環境での使用に適している。
シリコン系コーキングも高温に耐性があるが、変成シリコーン系コーキング材ほどではない。

  1. 耐薬品性

変成シリコーン系コーキング材は一般的に薬品に対して耐性を持つ。
シリコン系コーキングは薬品に耐性がある場合があるが、具体的な製品により異なる。

  1. 用途

変成シリコーン系コーキング材は高温や化学的薬品にさらされる環境でのシールや接合部の補修に使用される。また、建築、船舶、自動車、工業プロセスなど多くの分野で利用される。
シリコン系コーキングは建築や一般的なシーリング、窓やドアのシーリング、キッチンや浴室のシーリングなどの一般的な用途に使用される。

高温や特殊な化学環境での使用が必要な場合、変成シリコーン系コーキング材が適していることがある。

変成シリコン系コーキングは、ウレタン系コーキング材に機能性を付加したウレタン系コーキング材の上位版と考えたほうが良い。シリコン系コーキングと変成シリコン系コーキングは、「シリコン」という名称が似ているだけで原料や性質は異なる。これらの違いを理解して、使用環境や要件に合致するものを選ぶことが重要となる。

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