ストーブやファンヒーターがおかしい!? 異音の原因と対処法
ストーブやファンヒーターから異常な音がする場合、故障の可能性がある。しかし、すべての異音が故障を意味するわけではない。正常な使用時に発生する音もあるため、音の特徴を確認する必要があるだろう。
以下に、故障の可能性が高い代表的な異音と対処法を示していく。
「コポッ」という点火時の音
石油ストーブやファンヒーターを使用していると、ときどき「コポッ」という音が聞こえることがある。この音は、異常ではない。
この音は、灯油がカートリッジタンクから油受皿に流れる際のものだ。機器の傾きによって生じる場合もある。直接的な異常ではないため、特別な対応は不要である。
カートリッジタンクには、灯油が一定量溜まるように設計されている。灯油がなくなったら、カートリッジタンクから油受皿に補充され、灯油が流れる音が「コポッ」と聞こえる。
運転を止めていても、この音が聞こえる場合がある。それは、カートリッジタンクに灯油が溜まっている状態で、機器の角度を変えたり、傾けたりすると、灯油が流れて「コポッ」と音がする。
「ブオー」という風切り音
ストーブやファンヒーターの運転時に「ブオー」という音が発生することがある。これは、温風ファンの回転に伴って生じる空気の風切り音であると考えられる。
温風ファンは、熱交換器で暖められた空気を室内に送り出す役割がある。その回転によって空気の流れが発生し、特有の「ブオー」という音が聞こえるのは正常な現象である。
このような風切り音がする限り、温風ファンは正常に作動していると判断できる。この音がしなくなる場合こそ、何らかの異常が起きている可能性が高い。
「ブオー」という温風ファンの風切り音自体は問題ない正常音であり、故障のサインとは見なされない。音の状況に変化があれば要確認だが、通常は気にする必要はない。
石油暖房機器の「シュー」という正常運転音への対応
石油ストーブやファンヒーターの使用時に「シュー」という音がすることがある。これは気化ガスが吹き出す音であり、機器の正常な作動を示している。この音自体は異常ではないと考えられる。
音が通常よりも大きくなった場合には、ガスノズルの故障や付着物が原因である可能性がある。この場合、メーカーによる修理が必要となることもあり得る。
ブンゼン式の石油ストーブでは、「シュー」という音が特に聞こえやすい傾向にある。他の方式の製品では音が小さくなることもある。
この音の大きさやパターンに注意を払い、異変があれば対応することが重要である。
「ポコ」「パキッ」という金属熱膨張音
石油ストーブやファンヒーターの使用時に、「ポコ」「パキッ」という音が発生するケースがある。これらは金属部品の熱膨張に伴う正常な音であると考えられる。
使用中に金属部品が加熱され膨張し、停止後に冷却収縮する過程で、互いにぶつかり合うことでこのような音が生じる。過度な熱膨張は故障の原因となり得るが、適度な「ポコ」「パキッ」という音自体は機器の正常な作動を示している。
音が異常に大きくなった場合は、部品の劣化や異物の付着が考えられ、確認が必要である。バーナーやヒーター周辺の音に注意が必要だ。
適度な金属熱膨張音は問題ない一方で、音の変化には要警戒である。メンテナンスを行いつつ注意することが望ましい。
「カンカン」「カラカラ」という異常音
ストーブやファンヒーターから「カンカン」「カラカラ」という異常音が発生するケースがある。これは、ファンとモーターのコードが接触している可能性がある。
ファンにゴミやホコリが付着すると、回転が阻害されてコードが接触しやすくなる。これにより、擦れや熱でコードが損傷し、異常音が発生すると考えられる。
この場合、まずファンガードを外してファンを清掃する必要がある。それでも音が止まらないなら、内部の接触状況が原因である可能性が高く、修理が必要となる。
このような異常音は放置せず、清掃や修理などの適切な対応を取るべきであると結論付けられる。バーナーやヒーター周辺にも注意が必要である。
「ブーン」という振動音
ストーブやファンヒーターから「ブーン」という音が発生することがある。これは内部のコイルが振動し、機器本体と共鳴して聞こえる音だと考えられる。
コイルには通電時に特有の振動が生じ、これが共鳴を起こして「ブーン」という低い音を発するのは正常な現象である。直接的には安全性に影響しないが、音が大きすぎる場合にはコイルや機器の劣化が疑われる。
本体周囲の配置を変えて共鳴を抑えたり、本体と壁の距離を空けたりする対策が考えられる。それでも改善されない場合は、メーカーによる点検修理が必要となる可能性がある。
この種の音は本体の劣化と関連し得るものの、音自体が直接の危険要因とはならない。状況に変化があれば、対応の必要性が生じる。
「キーン」「ピー」「キュルキュル」の異常音
ストーブやファンヒーターから「キーン」「ピー」「キュルキュル」といった異常な噴出音が発生することがある。これはノズルにタールが付着した結果と考えられる。
燃料に含まれるタール成分がノズルに付着すると、ガスの噴出が不安定になり、特有の異音を伴う。また、燃焼効率の低下や、機器の損傷、さらには火災の危険性もある。
取扱説明書に従って油受皿やフィルターを確認し、タールの付着があれば除去する。また、定期的な清掃が重要である。
このような異常音が発生した場合には放置せず、適切な対応を取る必要があると結論付けられる。安全性の確保は欠かせない。
まとめ
ストーブやファンヒーターは生活必需品である。故障が放置されると事故につながる可能性もある。異常音に早めに対処し、安全な使用環境を確保することが重要である。