掃除に使う洗剤の基本知識
毎日何気なく使っている洗剤について、どれくらい理解しているだろうか
多くの人が、洗剤が何の物体なのか、わけもわからないまま使っていることだろう。
洗剤とは
物を洗浄するために使う界面活性剤や添加剤などからできた化学製品のこと
当たり前のことだと感じるかもしれないが、どうして洗剤を使用するのか。
洗剤を使うメリット
洗剤を使うメリットには以下のようなものがある。
- 汚れを落とす
- 衛生面で安心
- 節水効果
- 作業時間の短縮
汚れを落としやすくする
洗剤には、油や汗、泥や風呂場のカビなどの汚れを効果的に除去する成分が含まれている。
これらの成分によって、汚れを浮き上がらせたり、分解したりして効率的に取り除くことが可能だ。
作業時間の短縮
洗剤を使うことで、汚れの分解が早くなるので、洗浄作業の時間が短縮される。
衛生面での効果を高める
細菌やウイルスなどの病原体を除去する成分が含まれている洗剤がある。これによって、衛生面での効果を高めることができる。
臭いの軽減
洗剤には、臭いの原因となる菌や細菌を除去する成分が含まれていて、悪臭を取り除くことができる。
衣服や素材を保護する
洗剤には、衣服や素材を傷つけないようにする成分が含まれているものがある。衣服や素材を保護し、長持ちさせることができる。
洗う対象
洗うものによって、使うべき洗剤は異なる。
衣類や食器
衣類や食器は、液体洗剤か粉末洗剤で洗う。粉末洗剤よりも泡立ちがいいので食器洗いは液体が主流だ。
身体
身体用洗剤として石けんがある。
天然素材から作られた洗剤で、肌に優しいため、ボディソープやシャンプーなどの身体用洗剤にも利用される。
トイレ 浴槽
トイレや浴槽は、汚れや臭いが強いので汚れを浮かせる力が強い洗浄剤を使用する。
シーツ タオル
白い衣服やシーツ、タオルなどを漂白するのが漂白剤だ。
洗うもの | 洗剤 |
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身体 トイレ 浴槽 白い衣服やシーツ タオル | 衣類 食器液体洗剤 粉末洗剤 石けん ボディソープ シャンプー 洗浄剤 漂白剤 |
形状での分類 使い分け
洗剤の形状での分類には、以下のような種類がある。
粉末洗剤
固形の粉末状の洗剤で、主に衣類や食器などを洗浄するために使用される。水に溶けやすく、泡立ちがよいため、汚れを浮かせやすく綺麗に落とすことができる。
液体洗剤
液体状の洗剤で、主に衣類や食器などを洗浄するために使用される。粉末洗剤よりも水に溶けやすく、柔軟剤や漂白剤と一緒に使用することができる。
石鹸
天然素材から作られた洗剤で、肌に優しいため、ボディソープやシャンプーなどの身体用洗剤にも利用される。粉末状や液体状のものがある。
ジェル洗剤
液体状の洗剤の一種で、粘度が高いため、食器洗いや鍋・フライパンの洗浄に適している。
シート状洗剤
紙や布で作られた薄いシート状の洗剤で、主に衣類の柔軟剤や消臭剤として使用される。
掃除用途のシート状の洗剤もある。
pHでの分類
液体には水素イオン指数という概念がある。
水素イオンは、水溶液中で酸性の指標として使われる。水溶液中の水素イオン濃度を表す指標としてpHがある。pHが低いほど水素イオン濃度が高く、酸性が強いことを示す。
水素イオン濃度が高い順番に
酸性 > 中性 > アルカリ性
となる。
pHの数字の大きさは
酸性 < 中性 < アルカリ性
真ん中の中性がpH 7.0となっている。
数字が小さいと酸性で大きいとアルカリ性である。
pHが1の溶液は非常に酸性が強い
pHが7の溶液は中性
pHが14の溶液はアルカリ性が強い
とわかる。
洗剤も酸性洗剤、中性洗剤、アルカリ性洗剤と分類できる。
この水素イオン濃度を理解すると汚れ落としがはかどるし
理解しないと逆に落ちない、と悩むことになる。
やみくもに洗剤を買うことがなくなるだろう。
洗剤のpHでの分類には、以下のような種類がある。
酸性洗剤
酸性洗剤は、pHが5以下の酸性の洗剤のことを指す。
酸性洗剤は、アルカリ性の汚れに有効で、金属や石材、タイル、トイレなどの汚れが強い場面で使用される。
洗浄力は強いが、その分、人体への悪影響も強いので使用時には注意すること。
弱酸性洗剤
pHが5.5〜6.5程度の洗剤で、ボディソープやシャンプーなどの身体用洗剤に使用されたりする。
弱酸性洗剤は、pHが5.5〜6.5程度の洗剤で、皮膚のpHに近いため、肌や髪などの人体に優しい洗剤、との触れ込みで宣伝されていることが多い。
中性洗剤
中性洗剤は、pHが7程度の中性で、繊維や素材を傷めずに洗浄できて無難である。変色しにくいので衣類や食器などの洗剤に使用される。
弱アルカリ性洗剤
弱アルカリ性洗剤は、pHが8程度の洗剤のことで、油汚れや汗汚れなどの落としにくい汚れに強い。
衣類の白さを保つ効果があるので、衣類の洗剤に使用される。
強アルカリ性洗剤
強アルカリ性洗剤はpHが10以上の洗剤で、重油汚れや金属などの洗浄に使用される。
強い洗浄力があるので肌や素材を傷めることがあるため、使用には注意する必要がある。
酸性洗剤とアルカリ性洗剤とまぜると有害なガスが発生することがあるので、混ぜないように注意することだ。
注意書きに「まぜるな危険」などと記載してある。
洗剤の種類とは
洗剤の成分をみていく。
何が含まれているのかわからないまま買うのではなく、注意書きを読んで、どんな成分が含まれているのが理解できるようにしたい。
界面活性剤
水に溶けにくい汚れをつつみこんで、水などの溶媒中に分散させる効果がある。
多くの洗剤の成分となっているが、ここ最近になって界面活性剤は人体への悪影響が指摘されているので、体にやさしい成分を求める方にはおすすめしない。
合成洗剤
合成洗剤とは
水と洗濯物の汚れの馴染みを良くして、洗濯の汚れ落としをよくするための界面活性剤
界面活性剤の含まれる洗剤を合成洗剤と呼んでいるわけだ。
もしくは、界面活性剤の別名が合成洗剤、ということである。
石油や油脂を原料として化学合成され、石鹸とは化学的な組成が異なっている。
洗浄助剤
合成洗剤の洗浄力向上のために洗浄助剤が加えられることがある。水軟化剤やキレート剤などの添加剤がその例である。
キレート剤(金属封鎖剤)
洗浄助剤には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンを除去するEDTAなどのキレート剤がある。
キレート剤とは、汚れを取り込んで固まりにせずに、水に溶かしたまま除去する薬品のことをいう。
界面活性剤の汚れを浮かせて落とす効果を強めるために添加されている。
pH調整剤
塩分
土類
注意する点とは
洗剤を使用するときの注意点には以下のようなものがある。
指示量を守る
使用量を多くしても、汚れが落ちやすくなるわけではない。
余分な洗剤が残り、洗濯物が汚れたり洗濯機に悪影響を与えることもある。
洗剤のパッケージに記載された使用量を確認することだ。
洗剤の種類
衣類用、食器用、身体用など、洗剤の種類によって使用方法が異なる。
強アルカリ性洗剤や漂白剤など、素材や目的に合わない洗剤を使用すると、素材や肌を傷めることがある。
洗剤の混合に注意する
異なる種類の洗剤を混ぜて使用すると、化学反応が起こり、危険なガスを発生させることがある。
洗剤と柔軟剤を一緒に使用すると、柔軟剤が洗剤の成分を包み込み、洗剤の効果を減らすことがある。
洗剤が残らないように注意する
洗剤を十分にすすいでいないと、残留洗剤が洗濯物や洗濯機に付着し、カビやニオイの原因となる。
入念にすすぎを行ったり、洗濯機を掃除しておくことだ。