掃除機の歴史とその進化

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掃除機の機能なんて、今さら説明するまでもない当たり前のことかもしれないが、掃除機の一般的な性質を説明していく。

目次

掃除機とは

掃除機は、効率的で手軽な掃除作業を提供するために設計されており、家庭やオフィスなどで日常的に利用されている機器だ。

ゴミやホコリを吸引力で吸い込むのが特徴で、その吸引力で、ノズルやブラシが床や畳の表面に密着しゴミを集める。

フィルター

吸い込まれた空気と一緒に微細な粒子やアレルゲンなどのゴミを捕捉するためにフィルターを使用する。これにより、室内の空気が浄化され、アレルギー反応やほこりの拡散が軽減される。

ノズル・ブラシ

最近では、畳やカーペットなどのさまざまな床面に対応できるように、切り替え可能なノズルやブラシが装備されているものが増えた。隅や狭い場所に届くようにするための延長ホースや付属品も備えられているものもある。

コンパクトなデザイン

掃除機は、一般的に持ち運びや収納が容易なコンパクトなデザインになっている。軽量化が進み、使いやすさと取り扱いの便利さが向上している。

電源コードを接続することなく使用できる充電式の掃除機が増えてきた。電源コードの制約を受けずに広範囲を移動しながら掃除できる。

自動的に床を掃除するロボット掃除機も普及してきた。ロボット掃除機は、プログラムされた経路に従って動き、センサーを使用して障害物を避けつつ効率的に掃除を行っていく。

掃除機の技術は絶えず進化している。より効率的な吸引力、高性能なフィルタリングシステム、使いやすさの向上などが追求され、スマート機能やIoT連携などの新機能も掃除機に組み込まれている。

今の掃除機は過去の掃除機に改良に改良を重ねたものである。

では、掃除機の歴史を確認してみよう。

掃除機の歴史

1868年、アイヴス・マガフィーによって世界最初の真空掃除機が発明された。

この掃除機は手動でレバーを引くことで負圧を作り、ゴミを吸い取る仕組みだった。マガフィーは特許を取得し、ボストンのカーペット清掃会社に売り込むことに成功。しかし、高価で操作が面倒だったため、市場から姿を消す。

その後、メルヴィル・ビッセルがカーペット掃除機を製品化し、ビジネスウーマンとして知られる妻のアンナが経営を引き継いだ。また、電動機駆動の掃除機をジョン・サーマンが発明し、Bissell社は掃除用品のメーカーとして続いている。

布フィルター式電気式真空掃除機

1901年にはヒューバート・セシル・ブースが、イギリスで初の電気式真空掃除機を発明。布フィルターを備えた装置を作り、塵を吸い取ることの有用性を確信した。ブースは掃除機の改良を続け、産業市場で成功を収める。

1905年にはバーミンガムのWalter Griffiths Manufacturerが人力の掃除機の特許を取得。現代の家庭用掃除機に似た形状で、容易に運搬や収納ができる掃除機を開発した。

アメリカでは、David T. Kenneyが電気掃除機の特許を取得し、電気掃除機産業の基盤を築いた。彼の特許はライセンス供与を受ける条件となった。

回転ブラシ電気掃除機

1907年、ジェームズ・マーレー・スパングラーは、扇風機と箱と枕カバーを使ってアップライト型の電気掃除機を発明した。彼が発明したのは回転ブラシを備え、大きなゴミを集めることができる設計の掃除機だった。

スパングラーはデザインを商業化するため、回転ブラシの特許をフーバーに売却し、フーバーはElectric Suction Sweeper Companyとして最初の商業用モデルを発売。現在でも家庭用掃除用品メーカーとして活動している。

1910年にはP・A・フィスカーが、ヨーロッパ初の電気掃除機であるNilfiskの特許を取得。その会社は現在もNilfiskとして存続している。

掃除機が普及するまで

掃除機の登場からしばらくの間は、電気掃除機はぜいたく品であり、一般的な家庭には普及していなかった。第二次世界大戦後になると、中流階級の家庭でも電気掃除機が一般的になり始めた。

じゅうたんを多用する西洋では、掃除機が先に普及した。一方、他の地域では、木やタイル、畳の床が一般的であり、ほうきや雑巾、モップでの掃除でも十分に対応できたため、掃除機は普及しなかった。

日本での掃除機普及の流れ

日本で最初の電気式真空掃除機は、芝浦製作所(現:東芝)が1931年に発売したアップライト型の掃除機だった。

日本では、進駐軍家族団地である「ワシントンハイツ」の電化製品メンテンス工事を請け負っていた太平興業が、1949年に米国製品を参考に自社開発した電気掃除機を秋葉原などで販売した。

当時の日本の家屋の多くは現在と異なり畳と板間であり、高価な掃除機を購入する必要はなかった。ゴミを外に掃き出すのが簡単で早かったため、ほうきや箒での掃除が一般的だった。

1960年代に団地ブームが起こると、団地内でのゴミの処理が難しくなった。近所迷惑を避けるために家の外にゴミを掃き出すことが制限され、ほうきだけでは掃除が困難になった。

また、団地や新築の家には洋室が取り入れられ、じゅうたんが流行した。じゅうたんはほうきでは掃除が難しく、ホコリが溜まりやすいため、真空掃除機の需要が高まった。これが真空掃除機が一般家庭に普及し始めたきっかけとなった。

紙パックフィルター搭載掃除機の登場

初期の真空掃除機は、使い捨てでない布フィルターなどを使用していた。ゴミを捨てる際にはホコリが舞ったり、フィルターを水洗浄しないと吸引力が回復しないなど、面倒なものだったため、一部の人々は真空掃除機を敬遠していた。

しかし、1980年代初めに紙パック式の真空掃除機が登場し、使い捨ての紙パックフィルターによってこの問題が解決された。その結果、真空掃除機はほとんどの家庭に普及するようになった。

サイクロン式掃除機とダイソン

1990年代にはサイクロン式掃除機も増えた。この技術は古くから知られており、一部の企業は1928年からサイクロン式掃除機を製造していた。

しかし、1985年にイギリスのデザイナーであるジェームズ・ダイソンが工業用粉体分離器からインスピレーションを得て、サイクロン式掃除機を開発。このアイデアに感銘を受けた企業が製造・販売に乗り出し、日本では高く評価された。

1993年にはイギリスでダイソンのDC01が販売され、その後、ダイソンはイギリスで最も売れている掃除機ブランドとなった。

家庭用ロボット型掃除機

1997年にはミノルタがロボット型掃除機の「ロボサニタン」を発表したが、製品化には至らなかった。それでもメディアで報道され、清掃業者などから関心が寄せられた。

そして2000年代に入ると、ルンバなどを代表とする家庭用ロボット掃除機が登場した。

健康志向の高まりを受けて、排気が綺麗な掃除機、本体が宙に浮く掃除機など、さまざまな新しいタイプの掃除機も開発されている。掃除機の機能や利便性は大幅に向上し、さまざまな家庭で重要な家庭電化製品として活躍している。

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