地震の種類と原因:地球の揺れとプレートテクトニクス

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地震は、地球上で頻繁に発生し、私たちの生活や環境に大きな影響を与える自然現象である。地球の地殻が何らかの要因で揺れ動くことによって引き起こされ、その原因と種類は多岐にわたる。

この記事では、地震の原因と異なる種類について詳しく探求する。地震の謎に迫り、そのメカニズムや影響について理解を深めていく。

目次

地震の原因と種類

プレートテクトニクスの視点から地震を分類する方法は、大きく2つのアプローチがあります。

プレートテクトニクスは、1960年代後半から発展してきた地球科学の理論である。

プレートテクトニクスは、大陸移動説、マントル対流説、海洋底拡大説などのアイデアを統合し、地球科学を体系化した。プレートテクトニクスは、地球科学において大きな変革をもたらした。

地球の表面はプレートと呼ばれる固い岩盤で構成されており、これらのプレートが互いに移動することによって、大陸の移動などが引き起こされると考える理論がプレートテクトニクスである。

最初のアプローチは、地震が断層に関連しているかどうかを考え、それに基づいて分類します。これは構造地震と構造地震でないものの、2つに大別されます。

2番目のアプローチは、地震が複数の地質プレートの境界で発生するか、プレート内部で発生するかに焦点を当てて分類する方法だ。このアプローチは広く採用されており、詳細に分けられている。

以下に重要な主な日本語の呼び名をあげていく。

海溝型地震 海溝などの沈み込み帯で起こる
大陸プレート内地震 大陸プレート内部で起こる
海洋プレート内地震 海洋プレート内部で起こる
アウターライズ地震 プレートの下に沈み込む手前の海洋プレートで起こる
スラブ内地震 プレートの下に沈み込んだ後の海洋プレートで起こる

火山性地震

火山体周辺で起こる火山性地震を特に分ける分類がある。マグマや火山ガスの移動が地震を起こすほか、周囲よりも地殻が破砕されて弱いために応力が集中して地震が起こるなど、いくつかのメカニズムが知られている。

防災上の分類

防災の観点からは、直下型地震または内陸地震という用語が使われる。これは、住宅地域の直下で発生する浅い地震のことである。特定の地域ではプレート内地震だけでなく、プレート間地震も発生することがある。都市部で発生する南関東直下地震など、直下型地震は高いリスクを有するため、この分類も重要視されている。

津波地震

地震動が小さくても大規模な津波を引き起こす地震を津波地震と呼ぶ。その代表的な例は、1896年の明治三陸地震である。
地震に関連する現象の一つに、地震動を伴わないスリップや滑りがある。これらの現象は、完全に振動がないものから、弱い低周波の振動を伴う低周波地震や低周波微動まで、さまざまな形態をとる。

プレート間地震

2つのプレートが接する地域では、異なる運動をするプレート同士の境界でひずみがたまり、地震が発生する。この種の地震は、プレート間地震、プレート境界地震、またはプレート境界型地震である。

プレート同士の境界は、収束型境界、発散型境界、すれ違い型境界に分けられる。

発散型境界とすれ違い型境界では、地震の発生範囲は主にプレート境界周辺に限られ、震源の深さもそれほど深くない。

一方、収束型境界では、海溝はしばしば大規模な地震を引き起こし、衝突型境界では地震の影響範囲が広がり、震源が深いことがある。

海溝型地震

英語では、この種の海溝型地震を「Megathrust earthquake」と呼ぶ。

海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む海溝やトラフのような帯域では、両者の境界が歪んで地震が発生する。これが一般的に「海溝型地震」と呼ばれている。この用語はしばしば海溝周辺のプレート内部の地震も含むため、狭義では「海溝沿いのプレート間地震」とも呼ばれる。

一般的には、大陸プレートが弾性力を蓄え、跳ね返るように説明される。しかし、プレートが引き裂かれるわけではなく、他の地震と同様に地殻がずれる形で跳ね返る。1923年の大正関東地震や南関東直下地震のように、海溝から遠く離れた深い場所でも震源域が拡がることがある。

典型的な海溝型地震では、陸側のプレートが海側のプレートに対して低角逆断層型となり、上から見ると海溝軸よりも大陸プレート寄りの地域が震源域となる。1つの長い海溝内では、複数の領域で別々に大地震が発生することがあり、地震の規模は通常M7から8程度である。稀に複数の領域が同時に動いてM9を超える超巨大地震が発生することもある。

ある領域では、数十から数百年ごとに大規模な地震が繰り返し発生する。

特に、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む海溝やトラフのような場所で、大規模な海溝型地震が発生すると、津波の危険性が高まるため、地震の被害は広範囲に及ぶことがある。

海溝型地震が発生しやすい地域には、チリ、ペルー、メキシコ、アラスカ、アリューシャン列島、千島列島、日本、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニア、ソロモン諸島、フィジー、トンガ、ニュージーランドなどがある。これらの地域には海溝が存在し、大きな海溝型地震が発生する可能性がある。

2004年のジャワ海溝でのスマトラ島沖地震や、日本近海では十勝地方の沖合で発生する2003年にMw8.3の十勝沖地震、根室半島沖での根室半島沖地震など、千島海溝における地震が繰り返し発生している。

また、2011年のMw9.0、最大震度7の東北地方太平洋沖地震や、三陸沖地震、駿河トラフでの東海地震、南海トラフでの東南海・南海地震など、これらの海溝型地震の震源域が連動して超巨大地震に発展する可能性も指摘されている。

さらに、関東大震災の原因となったM7.9の関東地震も、相模トラフのプレート境界がずれ動いたことによって発生した地震であり、これも海溝型地震に含まれる。

これらの海溝型地震では、複数の震源領域で短時間のうちにプレート境界面の破壊が起き、広範囲にわたる大規模な地震と津波が同時に発生することがある。また、大きな海溝型地震の後には、震源域から離れた地域で内陸地殻内地震や海洋プレート内地震、他の海溝型地震を誘発することがある。

さらに、海溝の浅い領域では津波地震が発生しやすい。東北地方太平洋沖地震では深い領域と浅い領域が連動して破壊され、強力な揺れと大津波が同時に発生したとされている。海底にまで達する地震断層が生じ、主断層に加えて複数の平行な分岐断層が存在することもある。ただし、これらの要因についてはまだ研究が進行中であり、詳細は不明な点も多い。

衝突型境界で起こる地震

衝突型境界では、プレート同士が強くぶつかり合い、境界地域で強力な圧縮力が働き、地震が発生する。この大きな力により、プレートは砕けたり、その破片同士がずれたりすることで地震が引き起こされる。

これらの地震は、主に大陸プレート同士が押し合い衝突している地域で発生し、代表的な例はヒマラヤ山脈、パミール高原、チベット高原、そして日本海東縁部である。また、1999年の台湾集集地震(Mw7.6)も含まれる。

日本周辺では、日本海東縁変動帯域が地震の震源となり、1983年の日本海中部地震(M7.7、最大震度5)、1993年の北海道南西沖地震(M7.8、最大震度6)などがその例である。

発散型境界で起こる地震

発散型境界においても地震が発生する。これらの地震は、中央海嶺の中軸谷の下で起こり、海嶺型地震と呼ばれる。これらの地震は通常、震源の深さが約12 km以下であり、地震の規模はほとんどがM6を超えない。発生機構を考えると、張力軸は水平で、海溝に直角になり、通常は正断層型の地震が典型的である。

地震は東太平洋海嶺、オーストラリア南極海嶺、中央インド洋海嶺、南西インド洋海嶺、大西洋中央海嶺など、さまざまな海嶺で発生する。また、アイスランドやアフリカの大地溝帯では、海嶺(地溝)が陸上に影響を与え、正断層型の地震が発生する。

すれ違い型境界、つまりトランスフォーム断層でも地震が発生する。このタイプの地震は、プレート同士がすれ違うことによって引き起こされる。これらの地震は通常、海嶺周辺の海底で発生するが、陸地でも発生することがある。

主な発生地には、アメリカ西海岸のサンアンドレアス断層、ニュージーランドのアルパイン断層、トルコの北アナトリア断層などがある。具体的な例としては、1906年4月のサンフランシスコ地震(M7.8)が挙げられる。

内陸地殻内地震

大陸プレートの端において、海洋プレートが沈み込む地域では、海溝から数百キロメートル離れた範囲にわたって海洋プレートの押す力が及ぶ。この力はプレートの内部と表面に影響し、その結果、プレートの表面にひび割れが生じ、これを断層と呼ぶ。

押される断層では、上下方向に力を逃がすため、山が高く、谷が深くなる逆断層が形成される。逆に、引っ張られる断層でも、同様に上下に動く正断層によって山が高く、谷が深くなる。さらに、押される断層や引っ張られる断層に関わらず、場所によっては水平にずれる横ずれ断層も存在する。

このタイプの地震は内陸地殻内地震または大陸プレート内地震と呼ばれ、海洋プレートの上に位置する伊豆半島、伊豆諸島、ニュージーランドなどの地域でも、このタイプの地震が発生する。

地震の規模は、活動する断層の大きさに依存するが、多くの場合、M6からM7の範囲にある。大断層は通常、いくつかの領域に分かれて活動し、一つの断層で大規模な地震が発生する頻度は数百年から数十万年に1回程度である。このタイプの地震は、都市の直下で発生することがあり、甚大な被害をもたらすことがあるが、被害範囲は海溝型地震に比べて狭い傾向がある。緊急地震速報が適用できないこともあるため、注意が必要である。

例として、1976年の唐山地震(M7.8、死者240,000人、20世紀最大)、1995年の兵庫県南部地震(M7.3、最大震度7、死者約6,000人)、2000年の鳥取県西部地震(M7.3、最大震度6強)、2004年の新潟県中越地震(M6.8、最大震度7)などが挙げられる。アメリカ西海岸、ニュージーランド、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、アフガニスタン、イラン、トルコ、ギリシャ、イタリア、スイスなど、活断層が集中している地域では大断層型地震が頻繁に発生する。

このタイプの地震は甚大な被害をもたらすことがあるため、将来の地震予測のために、日本を含む多くの地域で活断層が調査され、危険な断層が評価されている。また、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど一部地域でも、活断層が存在し、時折小規模な地震が発生し、被害をもたらすことがある。

海洋プレート内地震

沈み込む海洋プレートでも地震が発生する。この種の地震は、通常、海洋プレート内地震またはプレート内地震と呼ばれる。

「プレート内地震」という単語は、通常、このタイプの地震を指す場合がほとんどであり、大陸プレート内地震は含まれない。また、プレート間地震と一緒に考えて「海溝型地震」とも呼ばれることがある。

海洋プレート内で発生する地震は、大きく2つのタイプに分けることができる。一つは「沈み込んだ海洋プレート」に関連し、これらの地震の震源は通常、深い。もう一つは「これから沈み込む海洋プレート」に関連し、これらの地震の震源は浅いことが多くある。

沈み込んだ海洋プレート内(スラブ内)で起こる地震

海溝を通って大陸プレートの下に潜り込む海洋プレートは、途中で割れたり、深部でスタグナントスラブとなって折れ曲がったりして、地震を引き起こす。

これらの地震は海洋プレートが沈み込んだスラブ内で発生するため、スラブ内地震と呼ばれる。また、震源が深いため、深発地震とも呼ばれる。

一般に、これらの地震は震源が深く、震源地からの距離が遠いことが多い。しかし、その規模は侮れない。また、深いため、広範囲で大規模な揺れが起こりやすい。

地震波の伝播は、プレートの配置やマントルの深さなどによって異なる。そのため、震源地から遠く離れた場所で大きな揺れが発生しやすい異常震域も存在する。

20世紀末以降の例として、千葉県東方沖の1987年12月の地震(M6.7、最大震度5)、浦賀水道の1992年2月の地震(M5.7、最大震度5)、釧路沖の1993年1月の地震(M7.5、最大震度6)、宮城県沖の2003年5月の地震(M7.1、最大震度6弱)が挙げられる。

また、2011年の東北太平洋沖地震の余震でもこのタイプの地震が発生し、2001年の芸予地震、2015年の小笠原諸島西方沖地のM8.1の地震もこのタイプである。

これから沈み込む海洋プレート内(アウターライズ)で起こる地震

海洋プレートが陸地側に押し込まれると、プレート境界型地震が発生する。この過程で、歪みがアウターライズに蓄積され、海底が隆起する。

プレート境界型地震によって歪みが完全に解消されることは少ない。残存する歪みによって、アウターライズ地震が発生する。

アウターライズ地震は、反り返った部分の最も高い場所(浅い場所)で張力が作用し、正断層型の地震が発生する。震源が深い場合は逆断層型となる。

アウターライズ地震は遠くの海域で発生するため、陸地における被害は少ないが、M8以上の大地震が頻繁に発生し、津波を引き起こすことがある。

これまでの例としては、1933年の昭和三陸地震、2007年の千島列島沖地震、2012年のスマトラ島沖地震、そして2011年の東北地方太平洋沖地震の余震などがある。

火山性地震

海溝周辺の火山帯、ホットスポット、海嶺、ホットプリュームの噴火地域では、火山活動によって地震が発生する。これらの地震は火山性地震と呼ばれ、通常の地震とは異なる要因によって発生する。

火山性地震は、地震動の性質によってA型地震とB型地震に分けられる。A型地震はP波とS波が明確で、通常の地震と類似する。B型地震は紡錘状の波形を持つ。

B型地震は、周期の違いに基づいてBL型地震とBH型地震に分けられる。また、火山性微動も地震に含まれる。火山性微動は、火山の通路の圧縮やマグマの爆発・収縮によって発生する。

大質量の移動による誘発

超高層建築物やダムの建設、地面の削り取り、鉱物資源の採掘は、地下構造を変化させ、地震を引き起こす。ダムによる貯水は、地下の岩盤の間隙水圧や応力を変化させ、地震を誘発する。

1940年にアメリカのフーバーダム近くでM5の地震が発生した。1962年にインド・マハラシュトラ州西部のコイナダム近くで地鳴りや小さな地震が発生した。1967年12月10日にはM6.3の地震が発生し、180人が亡くなり、約2,000人が負傷した。これらの地震は、貯水による水圧変化によって引き起こされたと考えられる。

電流による誘発

地中に電流を流すと、地震が発生する。ソビエト連邦は、キルギスで2.8 kAの電流を地下に注入する実験を行った。実験開始から2日後から地震が発生が急増し、数日後には収まった。

流体注入による誘発

水分やガスなどの流体の地下注入は、地震を引き起こす。自然界でも同様の現象が観察されている。以下にいくつかの例を挙げる。

アメリカのロッキー山脈にある軍の兵器工場で、1962年から深さ3670メートルの地下に廃水を廃棄し始めた結果、80年間地震がなかった地域で地震が発生した。このデンバー地震では、注入量や圧力に応じて地震の頻度が変動した。

スイスのバーゼルで、2007年12月に地熱発電用の蒸気を生み出すために地下5,000メートルの花崗岩層に熱水を注入した結果、最大M3.4の地震が2回も発生した。この地域では以前から感知可能な地震が存在していた。

鉱山内のガス流体も地震の誘発に関与する。さらに、シェールガスの採掘に伴い地中に注入された水が地震を引き起こす要因として報告されている。

まとめ

地震は、私たちの日常生活や環境に大きな影響を与える重要な現象である。この記事では、地震の原因とさまざまな種類について詳しく探究した。

地球内部の力学や地殻変動、プレートテクトニクスなどが地震の根本的な要因であることが理解できた。また、内陸地域、海洋地域、火山地域などで異なる種類の地震が発生し、それぞれの特徴や影響についても学んだ。

地震の発生を予測し、被害を最小限に抑えるためには、地球科学の研究と防災対策が不可欠である。科学者や専門家たちは地震のメカニズムを解明し、予知技術を向上させるために努力を続けているが、私たちも地震の知識を深め、適切な対策を取ることで、地震に対する備えを整えるべきである。

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